香港市場
【4月回顧】前半は上昇基調、後半は軟調展開
月前半の香港市場は、割安感から見直し買いが入ったことに加え、米国株高や中国における経済活動の正常化期待などを材料に上昇トレンドを辿った。後半は、新型肺炎(COVID-19)の感染拡大による世界景気後退懸念の高まりや原油相場の急落などを受け、軟調な展開に転じた。3月の下落相場時に大幅な買い越しとなったストックコネクト経由の中国マネーの資金流入は弱まった。
個別銘柄では、医療アプリ「平安好医生」を運営する平安健康医療科技(01833)が急騰し連日で上場来高値を更新した。
【5月見通し】経済再開にも慎重姿勢は維持
5月の香港市場は、神経質な展開となりそうだ。新型肺炎の感染拡大にピークアウトの兆しが見られる欧米諸国では、経済活動を再開させる検討が始まっている。感染拡大を防ぎながら、経済活動の段階的な再開が進めば、株式市場の好材料として捉えられよう。また、中国では全人代が5月後半に開催すると報じられており、政策期待も高まろう。一方、今年は大恐慌以来最悪の世界景気後退に直面すると予想されている。企業業績悪化への懸念も強まっているため、慎重さはまだ必要とされよう。13日にテンセント(00700)が1Qの決算を発表する予定。
1日は労働節で休場となる。
(4/23記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【4月回顧】外資の買いや政策期待が相場を下支え
4月の中国市場で各指数は堅調な推移となった。海外資金の流入の動きが再び強まり、ストックコネクト経由(香港⇒中国)による買越額(4/1~21)は432億元と3月(679億元の売り越し)から一変した。
上海総合指数は20日に約1カ月ぶりの高値となる2,852ptまで買われた。深セン成分指数も同日に10,600pt台を回復。政府のインフラ投資拡大方針や、金融緩和(4/20付で最優遇貸出金利「LPR」の1年物を4.05⇒3.85%に引き下げ)などが材料視された。
個別では、江蘇恒瑞医薬(600276)が10日に一時99.68元まで上昇し、上場来高値を更新した。
【5月見通し】買い戻し継続で節目回復なるか
深セン成分指数:9,500~12,000pt
5月の中国市場で各指数は戻りを試す展開となりそうだ。上海総合指数は節目の3,000ptを目指す動きになると見る。積極的な景気刺激策に加え、各地での学校再開など新型肺炎の収束ムードを背景に、引き続き海外資金の流入加速が期待される。
早ければ下旬にも全人代が開催される見通し。家電や自動車など消費刺激策の具体案が出れば、上海汽車集団(600104)や海爾智家(600690)などが物色されよう。三一重工(600031)などのインフラ関連株にも注目したい。
1日から5日は労働節の祝日で休場となる。
(4/22記:上海駐在員事務所 山藤)