香港市場
【2月回顧】米中協議の進展期待が相場押し上げへ
2月の香港市場は1月相場の流れを引き継ぎ、戻りを試す動きが続いた。春節(旧正月)の連休明けは、米中貿易協議進展に対する期待が相場の押し上げ材料となった。18日に中国国務院が「粤港澳大湾区」計画の綱要を発表。香港やマカオへの経済的な恩恵も見込まれるため、カジノなど関連株が買われる場面も見られた。
22日にハンセン指数は節目の29,000ptに接近。日足では、25日、50日、75日、100日の主要移動平均線が低位でゴールデンクロスを実現しており、強気相場への転換確度が高まっている。
【3月見通し】戻りを試す展開が続くと予想
3月の香港市場は戻りを試す展開が続くと見ている。ハンセン指数は29,000ptの値固めを経て、30,000ptの大台を目指す動きが見込まれる。
3月5日から全国人民代表大会(全人代)が開催予定。政策期待が高まれば、香港市場でも関連銘柄への物色が進むだろう。米中貿易協議に関しては、交渉期限が延長される可能性が浮上。これは両国が貿易問題を前向きに協議している証左とも捉えられるため、株式市場では前向きに評価されるだろう。
3月相場では、企業業績も相場を左右する材料となりそうだ。主要企業の18年12月期決算発表が相次ぐ見込みで、決算内容に関心が集まる。
(2/22記:投資調査部 檜和田)
中国市場
【2月回顧】各指数は総じて大きく上昇した
2月の中国市場で各指数は総じて大きく上昇した。上海総合指数は月後半に2,800ptを上回り、約5カ月ぶりの高値を付けた。1日当たり売買代金が2000億元を超える日が多く、投資家マインドが改善してきた。深セン成分指数は8,650ptまで買われた。米中通商協議の進展期待などが相場の下支え材料となり、ハイテク株を中心に買い戻された。
順豊HD(002352)は20日、1月の宅配業務の売上高が前年同月比38.5%増加したと発表。株価は20日にかけて9営業日続伸し、約3カ月ぶりの高値を付けた。
【3月見通し】買い継続で節目回復なるか
深セン成分指数:8,500~10,000pt
3月の中国市場で上海総合指数と深セン成分指数は共に買いが継続しそうだ。前者は3,000pt、後者は10,000ptの回復がポイントとなろう。一方、米中通商協議の進展によっては、投資家のリスク回避の動きが出る可能性もある。足元で増えている海外資金の流入が相場を下支えするか。
5日に開幕が予定される全国人民代表大会(全人代)において、家電や自動車などの消費刺激策の具体案が伝われば、関連株が物色対象か。また、「粤港澳大湾区」計画が本格的に動き出しており、中国国旅(601888)などの関連銘柄に注目したい。
(2/22記:上海駐在員事務所 山藤)