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今月の特集記事【特集2】中国・香港間ストックコネクト経由の売買は活況 ~香港・中国A株市場の株価形成に影響力増す~

中国本土(以下、中国)・香港間ストックコネクト(上海・深センと香港の株式取引の相互乗り入れ)経由の売買は活発な状況が続いている。年初来、サウスバウンド(上海・深セン⇒香港)とノースバウンド(香港⇒上海・深セン)両方とも大幅な買い越しで、両市場における存在感は日増しに高まりつつある。

中国から香港市場への資金流入が加速

上海・深セン⇒香港への投資

今年3月以降、中国から香港への資金流入が顕著となっている。年初来、サウスバウンドの合計買い越し額(9月20日時点まで)は1500億香港ドルを超え、既に18年通年の倍近くとなっている。中国マネー流入加速の背景には、香港市場の割安なバリュエーション(9月20日時点、ハンセン指数のPBRは1.2倍、PERは10.2倍)や人民元先安懸念による海外投資意欲の高まりなどがあると考えられる。香港市場とサウスバウンドの間には逆相関関係が見られ、ハンセン指数が下落傾向となった4月以降には、中国マネーの純流入に増加傾向が見られた。山東墨龍石油機械(00568)などAH重複上場で乖離率の大きい銘柄のほか、中国工商銀行(01398)など高配当利回りの金融株や舜宇光学科技(02382)などIT関連銘柄が中国マネーに大きく買われた。

香港市場で存在感増す中国マネー、価格形成に影響

香港市場では、欧米系の機関投資家が主な市場参加者だが、中国マネーの存在感が高まりつつある。18年の香港市場における海外投資家の国・地域別シェアを見ると、中国は16年の21.5%から28.3%に大きく上昇した。19年に入り、香港市場の売買代金が低迷する中、中国マネーの流入は加速しているため、19年はさらなるシェアアップが予想される。サウスバウンドの中国投資家の構成比を見ると、個人投資家は16年の62.1%(最低構成比、以下同)から18年の28.0%まで大きく低下した一方、機関投資家は同23.2%から同55.7%まで存在感が大きく増した。保険資金のほか、投資信託を通じて香港株を投資する個人投資家は大きく増加したと見られる。

中国マネーは香港市場における存在感の高まりに伴い、香港株の株価形成にも影響を与えるようになった。金山軟件(03888)の中間決算は大幅赤字に転落したにもかかわらず、クラウド事業の将来性が有望視され、中国勢の買いで賑わった。9月20日時点、当該銘柄のサウスバウンドの持株比率は22.12%に達した(19年3月末時点では11.07%)。


「一部名外のサウスバンド持株比率の推移」「香港市場の海外投資家の国・地域別シェア」

A株市場に海外資金の流入継続が期待される

中国A株は18年6月に「MSCI」、19年6月に「FTSEラッセル」、19年9月に「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス」への組入れを果たした。組入れ比率の引き上げが予定されており、ストックコネクト経由によるA株市場への更なる資金流入が予想される。ノースバウンドはA株市場との間に緊密な相関関係が見られ、今年1月と2月のA株反騰相場では大幅な買い越しとなり、4月と5月の反落相場では売り越しに転じた。海外資金は江蘇恒瑞医薬(600276)、美的集団(000333)など内需・消費関連の大型株に売買が集中するほか、中小型株に物色を広げ、啓明星辰信息技術集団(002439)のノースバウンドの持株比率は大きく上昇(18年末の2.51%⇒19年9月20日の7.01%)。一方、今年業績が大きく悪化した大族激光科技産業集団(002008)は大幅な売り越しとなった(同16.61%⇒同6.21%)。


「香港⇒上海・深センへの投資」「各指数へのA株組入れロードマップ」

(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)

久々の4中総会

中国共産党は8月30日に中央政治局会議を開き、重要政策や人事等を討議する第19期中央委員会第4回全体会議(4中総会)を10月に開くことを決めた。共産党は5年に一度の秋に全国から約3000名の代表者を集めて党大会を催し、そこで選任された中央委員は5年の任期中に7回、中央委員総会に参加するルールとなっている。第2次習近平政権は2017年10月の1中総会で党指導部人事を決め、翌18年春の2中総会で政府人事を決め、半年後の秋の3中全会では経済政策の基本方針を定め、それ以降は毎年秋に4中総会、5中総会と7中総会まで続ける、これが従来の大まかな政治日程であった。

ところが習近平政権は18年1月に2中総会を開催し、習主席の指導思想を憲法に明記する方針を審議し、一気に"憲法入り"を決め、そのまま2中総会を閉幕してしまった。だから日本の国会に相当する全人代の開催直前の翌2月に、改めて李克強首相の再任や栗戦書全人代委員長の新任等政府人事を討議する3中総会が開かれた訳だ。それはそれで良いとして、次は半年後の18年10月に4中総会が開催されるのが既定路線と思われたが、米中貿易摩擦の解決に向けた糸口が見えない中、結論の出ない会議を開く勇気がなかったのか何と4中総会の18年開催が見送られてしまった。そんな訳で今月の4中総会は1年半ぶりの会議となり、開催回数の帳尻だけは、これで合う計算になるが、議題は国家統治体系や社会主義の改善、党内法規の整備等に絞られており、香港問題は討議されるだろうが、米中を巡る経済問題は討議されない可能性が出てきた。党内不統一のリスクを避け、議論し易くて纏め易い政治社会問題にテーマを絞った可能性がある。

難局を打開すべく当局は金融緩和、財政出動、市場開放等を視野に入れた政策を採用し、その結果として資本市場の活性化が期待されようが、党大会のような公開された場で、金融緩和の是非や、不良債権処理の手法等が議論されることは期待できないだろう。

(主席エコノミスト 杉野)

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