20日の香港株式市場は続落。ハンセン指数の終値は前日比230.53pt(0.83%)安の27,259.25ptだった。新型コロナウイルスの世界的な感染再拡大を懸念し、前日の米国株式相場が大幅に下落したことを受け、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、香港市場にも売りが波及した。中国本土の石油や不動産株の下げが目立った。中国本土と香港とのストックコネクト取引を通じた本土投資家による香港株売りも目立ち、投資家心理の重荷となった。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は大幅に4日続落し、前日比1.27%安。香港メーンボードの売買代金は1395億香港ドルと、前日から2%ほど減った。ストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで46億9400万香港ドルの売り越しだった。
20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比549ドル95セント(1.6%)高の34,511ドル99セントで終えた。前日に700ドル超と今年最大の下落幅となった反動で、短期的な戻りを期待した買いが景気敏感株を中心に幅広く入った。米債券市場で長期金利の指標となる10年物国債利回りは前日より高い1.20%近辺で推移。長期金利低下は景気減速のサインと受け止める投資家が多く、金利低下が一服したことも市場心理の改善につながった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数も6営業日ぶりに反発し、前日比223.894pt(1.6%)高の14,498.878ptで終えた。
21日の香港株式市場でハンセン指数は反発か。前日の米株式相場の反発を受け、香港市場でも投資家心理の悪化に歯止めがかかりそうだ。ハンセン指数は、強気弱気の境界線とされる250日移動平均線近辺での動きとなっており、当面は同平均線を維持できるかがポイントとなりそうだ。また昨日ストックコネクト取引を通じた売り越し額が30億香港ドル超となったテンセント(00700)など、ネット関連銘柄の動向にも注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
確りの展開か。政策期待が支えとなろう
20日の中国・上海株式相場は小幅に3日続落。上海総合指数の終値は前日比2.3320pt(0.06%)安の3,536.7905ptだった。前日の米国市場での商品先物相場の下落を受け、時価総額の大きな資源・素材株に売りが出た。株式市場への資金流入期待も後退し、大型株を中心に売りが優勢となった。大型株で構成する上証50指数が下落し前日比0.19%安。大型の資源・素材株が軟調だったほか、金融株や不動産株も軒並み安となった。一方、ハイテク株には押し目買いが入り、上海総合指数は午後に入り下げ渋った。新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する上証科創板50成分指数の終値は前日比0.55%高の1,522.6265pt、深センの新興企業市場の創業板指数も上昇し、同0.41%高の3,463.791ptで終えた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は9667億元と、前日(1兆1217億元)から1割強減少し、14営業日ぶりに節目の1兆元を下回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで30億6500万元の買い越し。個別では、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが買い越しとなり、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、歌爾(ゴーテック、002241)などが売り越しだった。
21日の中国本土市場は確りの展開か。昨日中国人民銀行(中央銀行)が公表した事実上の貸出基準金利ローンプライムレートに関しては、15カ月連続で据え置きとなったものの、市場では「景気回復の腰折れを防ぐため、当局は緩和スタンスを継続する」との見方が広がっているもよう。政策期待が支える展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)