19日の香港株式市場は3営業日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前週末比514.90pt(1.83%)安の27,489.78ptだった。バイデン米政権による香港進出企業への警告を受けた米中対立の激化への懸念から、リスク回避姿勢を強めた投資家の売りが目立った。ネット上での競争に不正があったと伝わったことでネット大手は軒並み安かった。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は同2.39%安だった。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は前週末から7%減り、約3週間ぶりの低水準だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで17億8400万HKドルの売り越しだった。
19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落し、前週末比725ドル81セント(2.1%)安の33,962ドル04セントとほぼ1カ月ぶりの安値で終えた。下落率は2020年10月28日以来の大きさだった。アジアを中心に新型コロナウイルスで感染力の強いインド型(デルタ型)の感染拡大が続き、米国でも新規感染者数が増えている。景気の先行き不透明感から売りが膨らんだ。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は5日続落し、同152.253pt(1.1%)安の14,274.984ptで終えた。
本日の香港株式市場は続落しそうだ。世界的な新型コロナウイルスの感染再拡大への警戒から売りが優勢となろう。ただ、一定の下値の堅さが確認できれば、個人投資家などからの押し目買いが入る可能性もあろう。
(マーケット支援部 床井)
続落か、決算見通しをもとに好決算を期待できる銘柄を物色か
19日の中国・上海株式市場は小幅に続落した。上海総合指数の終値は前週末比0.1813pt(0.00%)安の3,539.1225ptとほぼ横ばいだった。世界的な新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、世界景気の回復遅れが中国経済にも影響するとの懸念が重荷になった。半面、中国企業の業績期待は根強く、指数は小幅なレンジでもみ合った。海外関連事業を手掛ける企業が多いハイテク株の一部が売られ、上海の新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」の終値は同0.72%安の1,514.1808ptだった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆1217億元と、前週末(1兆1816億元)からやや減った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで43億7500万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、美的集団(ミデア・グループ、000333)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は香港市場同様続落の展開となろう。ただ、中国メディアの中国証券報は19日、18日夜までに1~6月期決算見通しを発表した上場企業1694社のうち、約7割が増益見通しを発表したと伝えた。決算見通しをもとに好決算を期待できる銘柄は買われそうで、相場の下支えとなろう。
(マーケット支援部 床井)