15日の香港株式市場は反発。ハンセン指数の終値は前日比208.81pt(0.75%)高の27,996.27ptだった。15日に発表された中国の主要経済統計の結果を受け、中国経済の回復鈍化に対する過度な懸念が和らいだ。銀行や不動産株を中心に買いが入った。中国の4~6月期国内総生産(GDP)は前年同期比7.9%増と、ほぼ市場予想に沿った結果だった。6月の小売売上高や工業生産高は予想を上回った。中国人民銀行(中央銀行)は15日朝、中期貸出制度(MLF)を通じて1000億元の資金を供給し、金利は前回から据え置いた。人民銀が前週に預金準備率の引き下げを発表した後、市場では中国経済の先行きに対する不透明感が強まっていた。15日の統計や金融政策の内容は、こうした見方を後退させた。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は小幅に反落し、前日比0.08%安だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで2200万香港ドルの買い越しだった。
15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比53ドル79セント(0.2%)高の34,987ドル02セントで終えた。好材料や市場予想を上回る決算を発表した一部の銘柄が買われ、ダウ平均を押し上げた。足元で上昇が目立っていた主要ハイテク株は利益確定売りで下げ、相場の重荷となった。長期金利低下や業績期待を背景に買われてきたハイテク株が利益確定売りに押され、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比101.819pt(0.7%)安の14,543.133で終えた。
16日の香港株式市場でハンセン指数はもみ合いか。前日15日の米株式市場でハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が下落した流れを引き継ぎ、香港市場でもハイテク株を中心に売りが広がろう。一方で、昨日発表された4~6月期のGDP成長率や6月の各種経済統計について、市場では無難な内容と受け止められており、投資家心理の支えとなろう。ハンセン指数は28,000ptを意識しながらの動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
上海総合指数は3,600pt台回復を目指す動きも期待できそうだ
15日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前日比36.0891pt(1.02%)高の3,564.5902ptだった。朝方発表の4~6月期の実質国内総生産(GDP)など中国の一連の経済指標が大きな失望を誘うものではなかったとの受け止めが多く、中国経済への安心感が広がったほか、株式市場への投資資金が増えるとの期待も強まり、指数は午後に上げ幅を広げた。香港とのストックコネクト取引を通じた海外投資家による中国株売買(ノースバウンド取引)が大幅な買い越しとなり、海外からの資金流入期待につながり、中国人民銀行(中央銀行)が15日から、市中銀行から強制的に預かる資金の比率を示す預金準備率を引き下げたことも資金増加観測を誘った。深セン株も上昇した。深セン総合指数の終値は前日比0.35%高の2,478.719pt、深センの新興企業市場「創業板」指数は同1.39%高の3,537.391ptで終えた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆1717億元と節目の1兆元を11日連続で上回った。ストックコネクト・ノースバウンド取引は合わせて成約ベースで123億9900万元の買い越し。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、国軒高科(ゴーション・ハイテック、002074)などが買い越しとなった。
16日の中国本土市場は確りの展開か。香港市場同様に昨日発表された経済統計が無難な内容と受け止められていることが、投資家心理の支えとなりそうだ。昨日大幅買い越しとなったストックコネクト・ノースバウンド取引だが、買越額が100億元を超えたのは今年に入って6回目。直近では6月25日の141億元買い越しがあるが、この時上海総合指数は3,600ptを回復していた。本日も資金流入が続けば、上海総合指数は3,600pt台回復を目指す動きも期待できそうだ。
(マーケット支援部 井上)