14日の香港株式市場でハンセン指数は4営業日ぶりに反落した。終値は前日比175.95pt(0.62%)安の27,787.46ptだった。前日の米株安やこの日の中国・上海株の下落を嫌気した売りが出た。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言や、中国の2021年4~6月期の実質国内総生産(GDP)の発表を見極めたいとの様子見気分も根強く、持ち高調整の売りも出やすかった。一方、ハイテク株には買いが入り、香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」の終値は同0.10%高の7,667.56ptだった。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1436億香港ドルと6月末以来の低水準だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで2億2100万香港ドルの売り越しだった。
14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比44ドル44セント(0.1%)高の34,933ドル23セントで終えた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて金融緩和の長期化観測が強まり、株式市場に資金が流入するとの期待が高まった。ただ、石油株と金融株が売られたのが重荷となり、相場の上値は重かった。ハイテク株が多いナスダック総合株価指数は続落し、同32.702pt(0.2%)安の14,644.952ptで終えた。
本日は中国の4~6月期のGDP成長率、6月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)が発表予定。内容に注目が集まっているため、結果によっては波乱要因となる可能性もあろう。ただ、企業業績ガイダンスをもとに好決算を期待できる銘柄が買われそうで、相場の下支えとなろう。
(マーケット支援部 床井)
主要経済指標の動向に注目、結果によっては波乱要因となる可能性も
14日の中国・上海株式市場は3営業日ぶりに反落した。上海総合指数の終値は前日比38.0214pt(1.06%)安の3,528.5011ptだった。米中関係の悪化懸念で投資家心理が下向いた。指数が前日に約2週間ぶりの高値を付けたことや、15日に中国の2021年4~6月期の実質国内総生産(GDP)など主要経済指標の発表を控えていることが意識され、持ち高調整の売りも出た。上海のハイテク新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は同2.15%安だった。深セン株式市場の総合指数は同0.87%安、新興企業向け市場の「創業板」指数は同0.74%安だった。上海と深セン市場の合計売買代金は前日から小幅に減ったものの、節目の1兆元を10日連続で上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで108億600万元の売り越しだった。個別では、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、国軒高科(ゴーション・ハイテック、002074)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場についても、主要経済指標の動向に左右される相場となろう。
(マーケット支援部 床井)