企業業績を睨んだ個別物色が優勢となろう
2/3~7の米国株式市場は、一進一退の展開を想定。
1/27の米株式市場では中国の人工知能(AI)開発企業DeepSeek(ディープシーク)が低コストで開発した生成AIモデルの登場を受け、米国のAI関連技術の優位性が揺らぐという投資家の警戒から多くのAIインフラ関連銘柄の株価が大幅安となった。また、長期金利が高止まりしており、米国株の割高感が意識されやすかったこともハイテク企業の株価が下落した要因の一つと考えられる。もっとも、DeepSeekの登場により、低コストかつ高性能な生成AIモデルの開発が進めば、AIサービスを提供する企業やハイパースケーラーはコスト減から利益率の向上が想定されよう。
2月は重要イベントが少ないため、マーケットの関心は企業業績に集まりそう。S&P500構成銘柄の内、78社が24年4Q(10~12月)の決算発表を終え、78%の企業が市場の利益予想(LSEG集計、1/24時点)を上回っている。また、S&P500(除エネルギー)の24年4Qの増益率予想(同)は13.8%と2桁増益が見込まれている。
FRBは1/29のFOMCで政策金利を4会合ぶりに据え置くことを決めた。金利の据え置きは市場の想定通りの結果で、特段サプライズはなかった。パウエル議長の記者会見でも「経済が堅調であるため、金利を調整するにあたって急ぐ必要はない」と説明。今後の追加利下げについては、トランプ政権が打ち出す政策や物価や雇用の動向を注視すると見られる。足もとでは、2/7発表予定の1月雇用統計に注目が集まろう。
(1/30朝記 投資情報部 岩井)