イベント多くボラティリティの高まりに警戒
1/13~17の米国株式市場は、もみ合いの展開を想定。
年末はさえない値動きとなったものの2024年のS&P500は20%超上昇と好調であった。25年は堅調な企業業績と個人消費が引き続き経済を下支えする一方で、関税や政策金利の動向等の不確実性は株式市場に逆風となり、強弱入り混じる年となりそうで押し目買いのスタンスで臨みたい。
1/10にFRBの利下げ見通しを巡る材料となりそうな12月雇用統計の発表を控える。12月公表の経済見通しでFRBは25年に2回(25bps×2回)の利下げを見込んでいるが、労働需給の逼迫が見られるようなら、利下げ期待が後退し、相場の上値は重くなろう。また12月PPI(1/14)、12月CPI(1/15)、12月小売売上高(1/16)等の経済指標の発表も予定されており、1月の第3週は警戒感が高まりやすい週になりそう。
米企業決算は1月中旬の金融機関の決算発表を皮切りに本格化する。LSEG(1/3時点)によると24.4QのS&P500構成銘柄の増益率は9.6%増が予想されている。好調な企業業績が維持される見込みであるが、高い市場期待に届かない決算内容では、決算発表後に売りに押される銘柄もでてこよう。
また米国企業ではないが、1/16に発表予定の半導体受託生産大手TSMCの決算内容に注目か。テック株はマイクロソフト(MSFT)が25年6月期末までに、AIの開発や動作に必要な設備となるデータセンターに計800億ドルを投資するとの発表や鴻海精密工業の24年10~12月の売上高(速報値)が過去最高となったことにより物色されており、TSMCの決算内容も材料視されやすいとみる。
(1/8記 投資情報部 岩井)