年末商戦が本格化し消費が米経済を下支えするか
12/2~6の米国株式市場は、一進一退の展開を想定。
トランプ次期大統領が来年の大統領就任に向けて動いている。財務長官に中期的な財政赤字の縮小を訴える投資家のスコット・ベッセント氏を指名したことで、市場では財政悪化による金利上昇を回避できるとの期待が出ている。同氏の指名を受け、11/25は長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れ、NYダウの最高値更新へとつながった。
トランプ次期大統領は11/25に中国からのほぼすべての輸入品に対して追加で10%の関税をかけると表明。カナダ、メキシコについても25%の追加関税を課すと宣言した。合成麻薬、不法移民対策としているが、他国との取引で米国に有利な条件を引き出すための策だと考えられる。選挙期間中から追加関税について言及していたが、しばらくは輸入コスト増の懸念が広がり、自動車などの製造業は軟調な推移となりそう。もっとも、FOMC(12/17~18)に向けて11月雇用統計(12/6予定)等の経済指標が発表されるにつれ、FRBの政策に徐々に市場の焦点は向かうと見る。
今後は11/29にブラックフライデー、12/2にサイバーマンデーと年末商戦が本格化する。インフレの続く米国では消費者の意思決定の要因に値下げやセールを求める買い物客は多いとみられ、好調な消費が確認されれば株式市場にポジティブな材料になろう。また、米商務省によると3Q(7~9月)の米国eコマース売上高は前年同期比7.4%増と小売売上高の伸びをけん引しているようで、消費関連銘柄の中でも関心が集まろう。
(11/27記 投資情報部 岩井)