短期的な株価の下落は買いのチャンスと捉えたい
11/25~29の米国株式市場は、一進一退の展開を想定。
トランプラリーが一服する中、パウエルFRB議長の「利下げを急ぐ必要がなくなった」との発言や、10月小売売上高等の経済指標も強い結果となり、先行きの利下げ期待が後退したことが相場の重しとなっているようだ。12/17~18に予定される次回FOMCまでには、FRB高官の発言や、10月PCEコアデフレーター(11/27予定)、11月雇用統計(12/6予定)等のFRBが重視する経済指標の発表が控える。発言や指標の発表の度に今後の利下げペースを巡り、一時的な波乱もあろう。
今年も残りひと月余りとなり、米国ではタックスロス・セリングが意識されるタイミングか。タックスロス・セリングとは、所得税等の税金の支払いを少なくするために含み損の出ている株式を売却する動きのことで、今年は年初からS&P500が20%以上も上昇したことで大きな実現益を出した投資家も多いと見られる。冴えない値動きをしていた株式は売り込まれる可能性がある。
米投資信託協会(ICI)によると米国のMMFの残高は6.6兆ドル(11/13時点)と過去最高となった。本来ならばFRBが利下げに動き、魅力の下がったMMFは解約され、リスク資産に振り向けられるはずが、トランプ次期大統領下でのインフレ再燃懸念により、金利に上昇圧力がかかっていることが膨張の続く要因だろう。もっとも、次の投資機会を待つ「待機資金」であることに変わりはない。株価下落局面ではMMFに滞留する資金が株式市場に流入することも期待でき、押し目があれば買い場と見たい。
(11/20記 投資情報部 岩井)