トランプ氏によるリフレ期待を好感か
11/11~15の米国株式市場は、確りの展開を想定。
大統領選はトランプ前大統領の当選が確実に。大統領選と同時に投開票された連邦議会選では、共和党が上院の過半数を確保し、下院も接戦ながら共和党がリードしており、共和党が大統領と上下両院を抑える「トリプルレッド」が意識されている。注目されるのは減税期待と関税リスクになりそうだが、前回トランプ政権時におけるリフレ期待と関税懸念が短期間に集約されるとみる。短期的には、トリプルレッドによる個人所得減税の恒久化、法人税の引き下げなどのリフレ期待から株価の上昇が見込まれよう(11/6のS&P500は2.5%上昇)。中長期では市場の関心が徐々に関税に向くことが考えられる。就任後政策を打ち出す際に関税リスクが台頭する可能性もあり留意は必要だろう。
大統領選、FOMCといったイベントを通過した後、マーケットの焦点はファンダメンタルズに注目が集まろう。企業業績面ではS&P500構成銘柄の内、359社が24年3Q(7~9月)の決算発表を終え、77%の企業が市場の利益予想(LSEG集計、11/4時点)を上回っている。S&P500(除エネルギー)の24年3Qの増益率予想(同)は10.6%と2桁増益予想と企業業績は好調と言えよう。
また、S&P500の予想PERは23.92倍(11/5時点、QUICK予想)とバリュエーション面での過熱感や金利高止まり懸念等が今後株価の上値を抑える要因となりそう。もっとも、FRBは利下げ転換しており、しばらくは緩和的な金融環境は維持されると見られるほか、米企業業績に対する前向きな見方が米国株の支えとなろう。
(11/7朝記 投資情報部 岩井)