一時的な波乱想定も底堅い経済が米国株を下支えしよう
11/4~8の米国株式市場は、不安定な展開を想定。
11月第1週の注目は11/5の米大統領選挙となろう。民主党のハリス氏と共和党のトランプ氏の戦いは接戦となりそうで、株式市場はイベントを通過するまでは神経質な展開も想定される。また、連邦議会選もあり、政権と議会の上院、下院で支配政党が異なる「ねじれ」のリスクもある。選挙結果を受けた市場の反応は、政策実現の方向性やタイミングによって左右されるため予測することは難しい。もっとも、1984~2020年の米大統領選挙日から各年の年末までのS&P500の騰落率をみると、1984年を除けば株安となったのは景気後退局面の時で、年末高になりやすい傾向が見て取れる。強気相場が維持されることに期待したい。
11/6~7にFOMCの開催が予定される。9月の雇用統計では労働市場の底堅さが示されたこと等で大幅利下げ予想は後退しており、11月の利下げ幅は25bpsになると見る。ただ11/1には10月の雇用統計の発表が予定され、米南部を直撃したハリケーンの影響等で弱含む可能性もあり留意が必要か。
10/22に国際通貨基金(IMF)は四半期に1度の世界経済見通しを公表した。米国の実質経済成長率については24年が2.8%、25年が2.2%とし、前回の7月予測から各々0.2%pt、0.3%pt上方修正した。底堅い個人消費を要因としており、米国のソフトランディングシナリオが示された格好となった。
11月第1週はイベントが多く、一時的な波乱も想定されるが、底堅い経済が株式市場を下支えすると考える。
(10/30記 投資情報部 岩井)