FRBが後手に回らぬ決意を示した大幅利下げ
9/30~10/4の米国株式市場は、高値圏でもみ合いの展開を想定。政策金利の大幅利下げはある程度織り込み済みか。
FRBは9/17~18開催のFOMCでは通常の倍の50bpの利下げを決定した。インフレ鈍化に自信を深めたうえで、FRBは景気や雇用の下支えが後手に回らない決意を示すための措置としたようだ。市場では大幅利下げにより経済がソフトランディングに向かうとの観測が改めて広がり、翌9/19にNYダウは最高値を更新した。
FOMC「経済見通し」では25年末までに追加で150bpの利下げを実施する見通しが示された。FRBが利下げサイクルに転じ、金融引締めの度合いを緩めることは設備投資や住宅投資への追い風になると期待出来よう。一方で、FOMCの結果を受けて長期金利は3.70%台へ上昇しており、市場では大幅利下げについておよそ織り込んでいるようにもみてとれる。株式市場で高値を追う展開にはなりにくいと見る。
来週は9月ISM製造業景況感指数(10/1予定)や9月雇用統計(10/4予定)などの経済指標の発表が控える。景気後退に対して予防的な利下げが開始されたこともあり、少々軟化した結果であれば市場に与える悪影響は少ないとみる。
米証券取引委員会(SEC)は9/18に米上場株の刻み幅(呼び値)を縮小する規則を採択した。25年11月から発効予定で取引の活発な銘柄の呼び値を1セント(0.01ドル)→0.5セントへ縮小させ、流動性のさらなる改善を狙う。
(9/25記 投資情報部 岩井)