FOMCでの利下げ幅と経済見通しに注目
9/16~20の米国株式市場は、神経質な展開を想定。過去の弱いパフォーマンス(左下図)から9月相場への警戒感やFRBの政策を巡る不透明感から不安定な相場展開を見込む。
9/6発表の8月雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比14万2000人増と市場予想を下回った。一方、失業率は前月から低下し強弱入り混じる内容だった。統計発表後のFRB高官の発言を受け、9月FOMCでは0.25%の利下げが基本シナリオとみられたことで、金融政策の緩和が後手に回るとの見方が広まり、同日の米主要株価指数はそれぞれ下落した。
もっとも、投資家心理を反映する米VIX指数(一般的には10~20の間で推移)は足もと20pt前後での推移に留まり、8/5の取引時間中に付けた65pt台に比べれば落ち着いている。今の米国相場は極端に悲観的ではないと言えるだろう。月別平均パフォーマンスをみると10月以降は好パフォーマンスとなりやすいようなので、今月に下落する局面があれば押し目買いの機会と捉えたい。
9月の第3週は当然ながらFOMC(9/17~18)に注目が集まろう。利下げ開始が確実視される中、利下げ幅が焦点となっている。金融引締めによって、インフレ抑制の代わりに労働需給は緩和傾向で推移しているが、NY連銀のウィリアムズ総裁のように「雇用統計については詳細に内容を見極めたい」と大幅利下げには慎重な声もある。また今回は四半期に1度の経済見通しが公表される。FOMCの参加者らの今後の政策金利の見通しによっては、市場の利下げの織り込み度合いが変化すると思われ、相場が上下に動く可能性があろう。
(9/11記 投資情報部 岩井)