製造業の需要は弱いものの総悲観することはないだろう
9/9~13の米国株式市場は、もみ合いの展開を想定。
9/3のNYダウはさえない経済指標が株価を押し下げ、前営業日比626ドル安と大幅反落し8/5以来の下げ幅となった。8月のISM製造業景況感指数が47.2%と、好不況の節目の50%を5カ月連続で下回った。前月よりも改善したが、新規受注が前月比2.8%pt減の44.6%となり需要の弱さが鮮明となったといえる。一方で、雇用は46.0%(同2.6%pt増)、支払価格は54.0%(同1.1%pt増)と改善が見られているため総悲観することはないだろう。また、8/30に発表された7月の米個人消費支出(PCE)では消費の底堅さは確認できているため、半導体などの製造業から消費やヘルスケアといったセクターに目を向けたい。
9/6に発表予定の8月雇用統計では、先月の大幅下落の要因となった7月の雇用統計や8/21に公表された24年分の雇用者数の推定値で3月時点の雇用者数が81.8万人程度の下方修正になる可能性が示唆されたことで、労働市場の冷え込みをある程度織り込んでおり市場への影響は少ないとみる。
民主党のハリス候補と共和党のトランプ候補による初のテレビ討論会が9/10に予定されている。6月の討論会ではバイデン大統領は精彩を欠き、撤退に繋がった経緯があるため、両者初めての直接対決に注目が集まろう。討論会後にどちらかが優位に傾いた場合は、政策に沿った銘柄選別が進む展開が想定される。一方、投開票直前までもつれるとの見方になれば、先行き不透明を理由に持ち高調整の売りがでることもあり、上値が重い展開もあろう。
(9/4記 投資情報部 岩井)