9月は焦らずに押し目買いを狙いたい
9/2~6の米国株式市場は、保ち合いの展開を想定。9/2はレイバー・デーで祝日。市場は休場となる。
パウエルFRB議長は「ジャクソンホール会議」での講演で、「政策を調整すべき時が来た」と次回9月FOMCでの利下げを示唆した。市場では9月の利下げ開始を見込み、米景気がソフトランディングを達成するとの期待からリスク資産の株を買う動きが広がり、NYダウは8/27に終値ベースで最高値を更新した。先行きは金融緩和を期待した資金が流入しやすいだろう。
9月の利下げが確実とみられる中、市場の関心は利下げ幅になろう。9/6には政策判断に影響がありそうな8月雇用統計の発表を控える。雇用者数の伸びの鈍化や失業率の上昇といった雇用情勢の減速を示す内容であれば、大幅利下げの可能性が市場で意識されそう。また、雇用統計前に発表される予定の8月の雇用動態調査(JOLTS、9/4発表予定)や8月ADP雇用統計(9/5発表予定)の内容次第では、週末に株式市場が不安定になることも意識しておきたい。
S&P500の過去10年(14~23年)のパフォーマンスを月別平均で見ると9月のみ下落している(右下図)。決算発表が一巡したことから材料出尽くしによる売りが想定されることに加え、11月に控える大統領選挙、中東情勢などの市場を動揺させる要素は複数ある。もっとも10~11月は好パフォーマンスとなりやすいようで、株価下落局面は年後半の上昇を見込んだ買いの機会と捉えたい。
(8/28記 投資情報部 岩井)