企業業績は堅調だが様子見姿勢が強まりそう
8/19~23の米国株式市場は、底値固めの展開を想定。
米景気後退懸念や「円キャリー取引」の巻き戻し等によって月初からリスク資産に売りが広がっていたが、8/14にNYダウはおよそ2週間ぶりに4万ドルを回復した。発表された7月CPIではインフレの鈍化傾向がみられ、米経済のファンダメンタルズの再評価やFRBの利下げペースが早まることによる景気下支えへの期待から、割高感を緩和しつつある株式市場へ資金が戻ってきているのだろう。ただ、8月は市場参加者が減り流動性が低下するため、高いボラティリティが続きそうで、しばらくは不安定な展開が続くと見ておきたい。
S&P500構成銘柄の内、455社が24年2Qの決算発表を終え、78%の企業が市場の利益予想(LSEG集計、8/9時点)を上回っている。S&P500(除エネルギー)の24年2Qの増益率予想も13.2%(同)と企業業績は堅調のもよう。決算発表はピークを過ぎ、好業績銘柄の選別物色が進みそうだが、米半導体大手のエヌビディア(NVDA)の決算(8/28発表予定)が終わるまではハイテク株の様子見姿勢が強まりそう。
8/22~24には、カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開催される。前回のFOMC(7/30~31)後の経済指標などのデータを確認したパウエルFRB議長の発言に注目が集まろう。利下げ時期や想定する利下げ幅等に具体的な言及があれば、市場が織り込むシナリオが大きく変化する可能性もあろう。
(8/15朝記 投資情報部 岩井)