消費関連指標を確認しながら買い場を探りたい
8/12~16の米国株式市場は、神経質な展開を想定。8/5に「恐怖指数」とも呼ばれる米国株の変動性指数(VIX)は不安心理が高まった状態を示すとされる20ptを大幅に上回り、一時は65pt台と20年3月以来の高水準となった。先行き不安を背景に投資家はリスク資産を圧縮する動きを強めている。
7月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比11.4万人増と市場予想を下回り、前月の17.9万人増(速報値20.6万人増から下方修正)からも減速した。失業率も4.3%となり、前月(4.1%)から上昇し、株式市場では景気後退懸念の高まりからリスク回避姿勢が強まった。もっとも、景気の良し悪しを単月のデータだけで判断するのは難しく、市場は足もとのデータに反応しすぎているとみる。今後相場が下げ止まるかは、7月CPI(8/14発表予定)や7月小売売上高(8/15発表予定)等の消費関連の指標等が重要視されそう。
S&P500構成銘柄の内、376社が24年2Qの決算発表を終え、79%の企業が市場の利益予想(LSEG集計、8/2時点)を上回っている。S&P500(除エネルギー)の24年2Qの増益率予想も13.9%(同)と企業業績は堅調といえそう。国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しによると、米国経済はペースの鈍化が予想されているものの、拡大が続く見込みである。目先は波乱の展開も考えられるが、FRBが景気下支えのため大幅に利下げする可能性を見込む動きもあり、中長期で見れば、株価の下落局面はリバランスや新規資金の投入の機会として活用したい。
(8/7記 投資情報部 岩井)