過熱感があるものの、需給環境が相場下支えか
8/22~8/26の米国株式市場はバリュエーションの上昇や週末にジャクソンホール会議を控えていることから、週後半にかけて上値の重い展開か。ただし需給環境は相場を下支えか。
米国株のバリュエーションを見ると翌4四半期の予想EPSを対象とした予想PERは既に18倍台に入っており、20/2/14の19.4倍や17/12/15の18.8倍が意識される水準と考える。今後も利上げが予想される中、バリュエーションの更なる拡大は期待しにくいと予想され、上値抑制材料と思われる。
ズームビデオコミュニケーションズ(ZM、8/22)やセールスフォース(CRM、8/24)、ワークデイ(WDAY、8/25)などが決算発表を予定。安値から2~3割程度戻っており(終値基準、8/16時点)、戻りが正当化される内容か注目。
ジャクソンホール会議(8/25~8/27)の議題は「経済と政策への制約を再評価する」で、制約を低くめに評価しインフレ対策への強い決意表明の場とするか、制約の存在を高めに評価し供給制約による物価高への金融政策での対処に限度がある旨を説明する場とするかで、相場の方向性が大きく変わると思われる。市場でも予想が分かれると思われ、会議前は様子見ムードが強まりそうだ。
ただ米国株の投機筋は戻り相場について来られておらずS&P500のe-miniの非商業部門のネットポジションは約24万枚の売り越し(8/9時点)となっている。現物の空売りのポジションも増加したとの報道もある。押し目では買戻し需要が相場を下支えか。
(8/17記 投資情報部 藤本)