個別物色か、FOMC議事録に要注意
8/15~8/19の米国株式市場は個別物色を予想。S&P500株価指数はもみ合いを想定、FOMC議事録次第で調整の可能性も。
米大手IT5社は、メタ以外は堅調な決算内容を背景に株価上昇基調(左図)。投資家心理は上向き傾向か。必需品セクター内で選別が進行中。原材料費高騰等でウォルマート(WMT、8/16決算予定)やP&G(PG)が軟調、高利益率維持のコカ コーラ(KO)が堅調。サイバーセキュリティーはチェックポイント(CHKP)が軟調、需要旺盛もハードの供給面等に懸念。ハード依存を減らしクラウド等に力点を置くパロアルトネットワークス(PANW、8/22決算予定)等が強さを見せるか。
8/9、米半導体支援法案(約527億ドルの政府補助金等)成立。フィラデルフィア半導体指数は急速に戻りを試す展開、期待の高さが窺える。キーサイト(KEYS、8/17)、アプライド・マテリアルズ(AMAT、8/18)が決算発表を予定。
また、税制・エネルギー・気候対策法案(気候変動対策支出3740億ドル等)は8/12にも下院通過へ。ネクステラエナジー(NEE)やテスラ(TSLA)等は引続き買われやすいか。
S&P500株価指数反転の背景は米10年債利回り低下か。パウエルFRB議長がデータ次第での利上げペース減速を示唆する中、冴えない米経済指標が金利低下要因に。最近連銀総裁のタカ派発言が相次いでいるが、来年の利下げをも織り込む市場の動きをやや行き過ぎと捉えているようだ。労働市場が堅調さを保っているだけに、他指標が軟調でも強気の利上げを継続する姿勢がFOMC議事録(8/17)で示される可能性も。波乱リスクには留意したい。
(8/9記 投資情報部 吉川)