高値圏でもみ合う展開
11/18-11/22の米国株式市場は、米国の予算動向や米中協議の進展を注視しつつ高値圏でもみ合う展開を想定する。
米国議会とホワイトハウスは、現行のつなぎ予算が11/21に期限切れとなるため、予算失効に伴う政府機関閉鎖の回避に向けた法案を検討しているようだ。議会は本予算でまだ合意できておらず、新たなつなぎ予算を確保しスムーズに審議を続けることが重要だ。
一方、中国通信機器大手ファーウェイに対し米禁輸措置の一部例外を認める猶予期間の終了が11/18に迫っている。また、米国は中国に対し12/15にスマートフォンなど1600億ドル分に15%の関税を課す予定。首脳会談の日時や場所は決まっておらず、関税撤廃を含めた部分合意の署名に向けて調整を進めている。米中両国が12月に向け歩み寄りを見せると市場の観測が強まっているが、協議の行方を見極めたい投資家も多いようだ。
経済成長への期待からリスク資産へ
米国株式市場が過去最高値付近で推移しているが、割高だと思う投資家も少なくないであろう。実際マネーマーケットファンド(MMF)などは2008年のリーマンショック時に近い水準の約3兆5129億ドル(10/30現在)まで積み上がっている。
しかし、米国経済の成長への期待がリスク資産の見通しを変えていると考える。iシェアーズ米国国債20年超ETF(TLT)上場投信からは先週、過去最大の12億ドル(約1310億円)以上が解約され、長期の米国債から資金流出が始まっているようだ。雇用や消費の底堅さなどが前提になるが株式市場への資金流入は続くと思われる。
リスクオンムードの株式市場は継続か
パウエルFRB議長は11/20に10月のFOMC議事要旨公表を行う予定。エコノミストの約半分は、FRBの景気刺激策について適切な量だと見ている反面、必要以上に緩和したとの見方も相当数あったと伝わっている。
今年3回の利下げと今後の月間600億ドル規模の短期国債の買い入れによる資産拡大策は結果的に資金を供給し、米国の景気拡大期間を伸ばす効果があると思われる。株式市場のリスクオンムードは継続すると考える。
(11/14記 マーケット支援部 佐藤)