米中の対立が深まる
9/9-9/13の米国株式市場は個別物色の展開を想定する。米中貿易摩擦に振り回される場面も想定されるが、個別銘柄物色の展開を想定する。
米中貿易摩擦は9/2に中国が米国の追加関税に対し世界貿易機関(WTO)に提訴すると発表するなど激化しており、早期の合意や関税撤回は予想しにくいとの声が支配的になっている。
このような米中が貿易交渉で対立が深まる中、世界景気の先行き不透明感は高まっており、米連邦準備制度理事会(FRB)は9月に利下げを実施すると市場関係者は見ているようだ。また、9/12に欧州中央銀行(ECB)理事会が予定されており、利下げなど景気刺激策を決定する方向に傾いているとも言われている。
一方、世界経済の不透明な環境下とは裏腹に、株式のリターンが好調に推移している銘柄も散見される。
個別物色の展開か
8月の株価のボラタイルな動きや長期金利低下を受け、投資家はボラティリティが高いとされているグロース投資戦略から資金を引き上げているようだ。
反面、ベータ値が低い低ボラティリティ戦略に資金が向かっているもよう。低ベータ値のポートフォリオのリターンは金利の低下局面で増加するとされ、金融政策など外因性のマクロ経済がリターン増加の要因であると言われている。
実効FFレート先物を見ると今後も利下げが想定されており、同戦略に優位な環境が続く可能性がある。事実、米国上場のスマートベータ型ETFの資金フローを見ると、ボラティリティが高いとされるETFから資金が流出したのとは対照的に、低ボラティリティのETFへの資金流入が多かったようだ。これらETFにはコカ・コーラ(KO)やビザ(V)、ネクステラエナジー(NEE)、P&G(PG)なども組み込まれているもよう。
(9/5記 マーケット支援部 佐藤)