投資家のリスク許容度が改善
2/4-2/8の米国株式市場は、投資家のリスク許容度が高まり、好業績銘柄を中心に上昇余地を試す展開か。
今週は米主要企業の業績発表のなかで、とくに中国の景気減速懸念を織り込んだ業績見通しを公表した企業が散見された。
米半導体大手エヌビディア(NVDA)は11-1月期の予想売上高を発表し、従来予想の26.46~27.54億ドル(前年同期比5~9%減)から21.56~22.44億ドル(同22~25%減)へ大幅に下方修正。中国を中心とするマクロ経済環境悪化がゲーム用GPU全体の需要に影響したもよう。また米建機メーカーのキャタピラー(CAT)の10-12月期業績についても中国での低調な需要や製造・輸送コスト拡大が足を引っ張ったようだ。
中国景気の下振れリスクが警戒されるものの、ダウ平均はアップルがiPhoneの販売不振等を理由に業績予想を下方修正した、1月初め程の株価の変動は見られない。
中国当局の積極的な景気刺激策や米中通商協議の進展に対する期待等が投資家心理の支えになっていると考える。
パウエル議長、ハト派色強める
1/29-30にかけて開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、金融政策の正常化ペースを緩める姿勢が示された。前回の会合時と比べ、より慎重なスタンスに修正された背景として、米景気の基本的な見通しについては大幅な修正を否定した上で、海外経済の減速、Brexitや通商協議等に対する不確実性が増し、下振れリスクが高まっていることを指摘した。
また今回の会合で、将来、経済情勢が悪化し、利下げだけでは金融緩和が十分ではない場合には、「バランスシートの規模や構成内容を変更する」と示したことは新材料と言えよう。下方リスクが顕在化するなかで、FRBが市場寄りの姿勢を表明したことはリスクオン回帰のきっかけとなるだろう。
(1/31記 マーケット支援部 浜田)