重要イベント控え、もみ合いか
1/28-2/1の米国株式市場は、閣僚級の米中協議を控え、方向感に乏しい展開か。
米中両政府は1/30-31にかけて閣僚級の貿易協議を開催する予定。1月上旬に北京で開いた次官級協議に続く会合で、中国の知的財産侵害など構造問題について議論する見通し。
今回の会合を巡っては、中国に進出する米国企業への技術移転の強要等、中国の構造問題で意見が対立し、つばぜり合いが続いているもよう。米中間の関税引き上げによる影響が双方の経済指標に表面化し始めており、会合の動向には一喜一憂する場面があるだろう。
米主要企業の決算発表が佳境に入るなか、リフィニティブの集計によると、S&P500企業の決算で発表済み(1/23時点)の76社中78%で利益が市場予想を上回っているようだ。年明けからボラティリティが落ち着いており、この傾向が続けば、株価上昇の継続が期待されよう。
FOMCは無風通過を予想
1/29-30に米連邦公開市場委員会(FOMC)の2019年初の会合が開催される予定。前回2018年12月の会合では、2019年に年2回の利上げを示唆したことをきっかけに、12月末から1月初めにかけて急激な株式市場の変動をもたらした。
FRBは市場の混乱に配慮し、次の利上げの前に経済動向の見極めに忍耐強く時間を費やす意向を示した。よって今回の会合では金融政策運営の修正は見込まれないと考える。
次回の利上げがあるとすれば、米政府機関の一部閉鎖の解除やBrexitの方向性等が定まり、1~3月期の経済動向を把握した上での判断となると考える。FF金利先物に基づく利上げ確率によると、6/18-19の会合までほぼ利上げを織り込んでおらず、6月までは先送りされることを予想している。インフレ圧力も乏しいことから6月までの利上げの小休止は妥当であるとみる。
(1/24記 マーケット支援部 浜田)