<2025年の日経平均予想レンジ> 35,000~44,000円
・デフレ脱却、東証による企業改革の後押し等を前提に、年末に向け史上最高値を更新か
・当面はトランプ次期政権の政策、その後は春闘での賃上げ、夏の参院選が焦点に
・東証再開以来の巳年相場、日経平均は4勝2敗。平均騰落率は13.41%に
2025年の日本株式市場は、賃金と物価の好循環を背景としたデフレ脱却期待、加えて、資本効率の改善、自社株買いの継続等が相場を押し上げよう。
来期(26/3期)の企業業績に関しては、為替や中国経済の動向等に不透明感は残るが、堅調な米国経済や緩やかな内需の拡大、自動車生産の回復、価格転嫁による利益率改善が増益を可能にしよう。日経平均の予想レンジは35,000~44,000円程度を想定。
トランプ氏は来年1/20に米大統領に就任する予定。トランプ次期政権が輸入品に対する関税をどのように実行するか不明な状況で、年明け以降の日本株は警戒感からボックス圏での動きになりそうだ。もっとも、米国が全世界(中国等を除く)からの輸入に一律に追加関税を課すのであれば、日本の輸出競争力に変化はないと思われること、トランプ流の譲歩を引き出すための駆け引きである側面もありそうなことを考慮すれば、過度に懸念する必要はないと考える。
その後は、春先の春闘での賃上げの状況や夏にかけては参院選を控えて、政治の動向が気になるところ。石破政権は少数与党であり、財政拡張的な政策がとられそう。
2025年は巳年で、もう少し詳しく言うと「乙巳(きのとみ)」となる。「乙」は植物が成長し広がっていく様子を、「巳」からは蛇の脱皮の連想で、たくましい生命力が感じられよう。総じて、再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく年になりそうだ。過去の巳年は、政治や経済に関係する突発的な出来事が多い印象。干支にちなんだ相場格言は「辰巳(たつみ)天井」。
戦後の東証再開以来の巳年相場は過去6回あるが、日経平均は4勝2敗。平均騰落率は13.41%に。1953年は3月にスターリン暴落があったものの若干プラスに。1989年はまさにバブル相場で29%高。2001年は米同時多発テロなどの影響を受け23%安に。2013年はアベノミクス、異次元緩和で5割超の上昇に。
(12/18記 投資情報部 大塚)