1月24日から1月28日の中国株式市場で、本土市場は堅調な展開、香港市場はボラティリティの高い展開を想定する。
1月17日に発表された中国10~12月期GDP成長率は前年同期比4.0%増となった。20年末にかけて景気が回復したことによる前年比効果の剥落もあり、7~9月期実績(同4.9%増)から減速したが、市場予想(同3.3%増、Bloomberg)は大幅に上回った。同日に発表された12月単月のインフラ投資が同5.5%の増加(11月同5.3%減)へ転じており、12月鉱工業生産の伸び(11月同3.8%増⇒12月同4.3%増)やGDPの改善に寄与したとみられる。北京冬季五輪(2月4日~20日)が迫る中、オミクロン株の発見により一部都市封鎖が行われており、足元では景気下振れへの懸念が強い。一方で、①今後はインフラ投資や金融緩和等の景気下支え策の効果が一段と顕在化すると見込まれること、②感染の落ち着きに伴い消費の改善が期待されることなどを考慮すると、中国景気は2月半ば以降の持ち直しが期待できよう。
中国本土市場は、金融緩和による景気持ち直し期待を支えに堅調な展開を想定。ただ、春節の祝休日(1月31日~2月6日)を控え、週末にかけては様子見ムードが強まる可能性は留意しておきたい。
香港市場は米国市場の動向を睨みながらボラティリティの高まりが予想されるも底堅さは継続か。年初来世界の株式市場が調整色を強める中、香港ハンセン指数は堅調な展開が続いている。中国の金融緩和や割安感の強まりを背景にした資金流入が続いているようで、今週も底堅い動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
今週の主なスケジュール
27日(木)
12月の中国工業部門企業利益
30日(日)
1月の中国製造業・非製造業PMI
1月の財新・中国製造業PMI