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今月の特集記事【新春特集】内需拡大策が後押し、消費関連株に注目

~年初に波乱要素も政策効果出るか、2019年の中国株市場~

2019年の中国株相場は、米中貿易戦争の行方によっては、年初を中心に我慢の展開になる場面もあると思われる。ただ、中国政府の各種減税策などにより、企業業績への影響が限定的になるとの見方が出てくれば、徐々に戻りを試す動きも見られるだろう。セクター別では、消費拡大を打ち出す政府方針に基づき、内需関連株やサービス消費関連株への物色が強まる展開が予想される。

ディフェンシブ株の見直し

主要銘柄の 株価推移

2018年の中国株は、米中関係の行方に振り回される相場展開となった。中国産製品への関税率引き上げに加え、中興通訊(ZTE、00763)や華為技術(ファーウェイ)との取引制限など中国ハイテク企業への締め付け強化が投資家センチメントを大きく後退させた。

最も影響を受けたのは、17年は右肩上がりで推移していたニューエコノミー関連株だ。AI(人工知能)大手の科大訊飛(アイフライテック、002230)や監視カメラ世界最大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン、002415)など、深センA株を代表する銘柄の売りが膨らんだ。実際の業務への影響は未知数だが、投資家の間で「成長ストーリーが米国に阻まれる」という疑心暗鬼が芽生え、ハイテク株全体に連想売りが強まったようだ。テンセント(00700)に代表されるネット関連株も総じて軟調だった。

その中で、見直されつつあるのが内需関連株だ。繰り返し言われているように、中国経済は「輸出主導型」から「消費けん引型」への構造転換期にあり、消費分野では「量より質」を求める消費者も増えている。医薬大手の江蘇恒瑞医薬(600276)や旅行業を展開する中国国旅(601888)の株価パフォーマンスは比較的安定していた。ディフェンシブセクターとして再評価された側面もある。

この流れは19年も続くだろう。中国政府には、今回の米中貿易戦争を「外圧」としてうまく利用し、経済の構造転換を推し進める意図もあるようだ。18年に矢継ぎ早に発表された各種減税策や消費促進策は景気下支えの狙いもあるが、より長期的に見れば内需振興につながると思われる。この意味で、内需関連株を選好するのがポイントだ。もちろんハイテクセクターの成長性にも依然注目したいが、米中貿易戦争の展開如何にもよるため、積極的な投資をしにくい状況が続くかもしれない。

相場全体を見ると、ヤマ場はいきなり年初にやって来る。1月に18年経済統計が発表され、2月は春節(旧正月、今年は2/5)を迎える。景気への不透明感から、中小製造業での賞与未払いや工場閉鎖などが伝えられる可能性もあるだろう。米中貿易協議の交渉次第では、米国は3月2日にも「制裁関税第3弾」として2000億米ドル相当の中国産製品の関税を25%に引き上げる。いわゆる「関税の崖」も相場動向に影響を与えると思われる。年前半は波乱含みの展開となり、それらを消化しながら後半にかけて政府政策の効果が株価に現れてくる展開が予想される。

サービス消費関連に注目

市場では、米中関係悪化が長引くと企業業績が減速すると言われている。ただ、指数のEPS(1株当たり利益)増加率を見ると、その影響は限定的にとどまると見られる。19年のEPS前年比増加率は、ハンセン指数は10.6%(18年は1.1%減)、上海総合指数は12.2%増(同20.3%増)、深セン成分指数は20.5%増(同18.3%増)と2桁のプラスになる見通しだ(いずれもブルームバーグ予想)。


各指数のEPS増加率の推移

米中貿易の影響に加え、人件費高騰、景気減速など中国企業を取り巻く環境は年々厳しくなっているが、中国政府はそれらの影響を最小限に押しとどめるため、18年に各種減税方針を打ち出している。同年5月から製造業や運輸・交通や建築業などを対象に増値税(付加価値税)率を引き下げた(製造業は17%⇒16%)。また、中小零細やハイテク企業向けの法人減税も行っている。これらの施策が企業業績を下支えしていくと見られる。

中国GDP成長率と投資・消費の対GDP比率

政府は個人所得税の減税にも乗り出している。課税最低限を月収3500元から5000元に引き上げたほか、19年からは住宅ローン利息や教育費などを控除対象にする。減税規模は年約3200億元と17年GDPの約0.4%に相当。市民が自由に使えるお金を増やすことで、消費底上げを狙う。

中国政府はさらに、政策面でも消費拡大を後押しする。18年10月に発表された今後3年間の消費促進策では、旅行、文化、スポーツ、健康、養老、家政、教育の各面で消費を喚起する方向性が打ち出された。これらのサービス消費分野で規制緩和などを進め、市場を活性化させる。具体的には、海南省を「国際旅行消費センター」に飛躍させる方針や、「インターネット+映画」の概念を導入して映画館業務の発展を促すことが明記された。次世代通信システム「5G」技術の商用化推進も盛り込まれている。

中国では、「消費」の対GDP比率が34.6%(07年)から44.3%(17年)へとじわり上昇しているものの、「投資」の同数値は80%前後で推移するなど、いまだに「投資偏重型」と言える。これまでの経緯を見ると、GDP成長が減速すると公共投資などを拡大し、景気浮揚を図ってきたことが分かる。ただ現在は、インフラ建設が一段落しつつあり、ややもすれば過剰債務に苦しむ「借金経済」に陥る事態も懸念される。そのため、中国政府は「消費けん引型」経済を構築し、安定成長を確保しようとしている。

19年の中国株相場は、米中貿易戦争の影響もあり、18年に続き我慢の展開になる場面もあると思われる。しかしながら、銘柄選択では原点に立ち返り、政策に沿った投資戦略を持って行きたい。そのキーワードが内需拡大であり、消費関連株となるだろう。


(上海駐在員事務所 奥山)

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