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今月の特集記事歌爾は「縁の下の力持ち」、海爾は王者の風格 ~山東省で見る中国家電・電子分野の最前線~


1月下旬、雪が舞う山東省を駆け足でめぐり、中国A株を代表する企業2社への訪問取材を行った。我々の娯楽や日常生活を支える製品が、このエリアで作られている。その最前線を追う。

成長著しい山東の「ホンハイ」

歌爾の本社ビルの一部。展示場や研究開発部門、製造ラインなどがある

「あの会社は給与遅配がないんだよ」。タクシー運転手が静かに、しかし誇らしげにつぶやいた。

山東省イ坊市(イはさんずいに維)。上海からは空路で1時間半ほど。空港の到着ロビーらしきものを抜けると、いきなりのふきっさらしだ。真冬の風がこたえる。屋根もない乗り場から慌ててタクシーに乗り込んだ。

運転手が言ったのは、同市に本社を構える歌爾(002241)のこと。スマートフォンを中心に各種電子製品向けのマイクロフォンやスピーカー製造で成長してきた同社。冒頭の話題をIR担当者に振ってみたところ、「そうなんですよ。近くで捕れる海産物の支給もあるし、福利厚生はとても良いです」とニコニコしながら答えてくれた。従業員宿舎もきれいで、住宅購入の優遇制度もあるという。社員食堂やレストランの水準も高い。

同社は、地元山東省出身で電子部品工場のエンジニアだった姜濱氏(現董事長、1965年生)が2001年に設立した若い企業。弟を総裁、妻を副総裁に据えるファミリー経営だ。現在、世界各拠点で4万人の従業員を有する。米アップルやソニーなどを顧客に抱え、今や年商3000億円を超える、イ坊市を代表するグローバルカンパニーである。

同社は各種電子部品の製造に加え、VR(仮想現実)やウェアラブル製品の組み立て業務にも注力している。本社内の展示場では、同社が全量生産するソニーの「PSVR」やオキュラスVR(フェイスブック傘下)の「リフト」が誇らしげに飾ってある。テンセント(00700)向けのスマートウォッチのほか、各種ドローン、オーディオ製品、AIスピーカーなどスマートホーム関連製品も製造している。目立つ場所にあったグーグルのAIスピーカー「Google Home」に筆者が興味を持ったところ、IR担当者は「(グーグルが事実上禁止されている)中国では販売していませんけどね......」と苦笑い。OEM(相手先ブランドによる製造)の大手と言えば台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業だが、歌爾も自社ブランドにこだわらない経営戦略を貫いている。

面談した同社董事会秘書の賈軍安氏は「17年12月期は2ケタの増収増益は確保できる」と自信を示した。しかしながら、足元では「大手顧客からの受注減(発注キャンセル)や為替の影響(人民元高)もある」と吐露。背景には、アップルの「iPhone X」の生産減少があるようだ。18年1~3月期での減益の可能性も示唆しており、昨年末来の軟調な株価はこれを先取りした動きかもしれない。ただ、賈氏は同時に、「今後はAIスピーカーや無線イヤフォン向けの部品納入が期待できる」と強気の姿勢を崩していない。また、同業の国光電器(002045)やAACテクノロジーズ(02018)への対抗心も露わにしている。自分が受注しなければライバルに持って行かれる、もしくはライバルがつまずいたらこちらのチャンス――。ピリピリした緊張感が感じ取れた。

自信に満ち溢れる総合家電の雄

海爾本社ビル。周辺や社内は整然としている 

イ坊から高速鉄道で1時間余りの青島に向かう。山東方言は訛りがキツい。駅改札口で年配の女性に話しかけられたが、全く聞き取れない。どうやら「ここはバス乗り場ですか?」という問いかけだったらしい。鉄道駅とバス乗り場は間違えないように......。

青島は山東省最大の商業都市で人口は900万人超。香港上場の青島ビール(00168)や、ロシアW杯のスポンサーである青島海信電器(ハイセンス、600060)など世界的な企業が本社を置く。その代表格である青島海爾(600690)を訪れた。

同社は「海爾路」という地下鉄駅があるほど存在感抜群。本社エリア一帯は「海爾工業園」と呼ばれ、東京ドーム約11個分の広大な面積を誇る。入口ゲートからオフィス棟に行くまでも10分ほど歩いた。

同社の孫瑶・IRマネージャーからは、自信に満ち溢れた言葉や数字が聞かれた。「エアコン販売増や冷蔵庫の単価上昇(平均約10%)などから、18年は二桁増収増益を見込んでいます」とさらりと語る。17年は猛暑の影響から大きく伸びたエアコン市場については、「まだまだ二桁成長が続きます。100戸当たり保有台数では、中国(都市部約100台、農村部約50台)は日本(200~300台)などに比べて成長余地が大きい」という見立てだ。

近年のM&Aを経て、海外売上高比率は約42%まで上昇した。16年6月に買収完了した米GE家電事業が後押ししている。旧三洋電機から事業譲渡され、日本では「AQUA」ブランドを展開中だ。また、スマートフォン(スマホ)などで遠隔操作できるスマート家電にも注力。同製品の出荷台数(17年1~9月期)は約840万台で、全売上高の約20%を占めている。

今後の戦略について、「ロボット事業に傾倒している企業(美的集団を想定)もありますが、御社の考えは?」と質問したところ、孫氏は「弊社は引き続き(総合)家電事業に専念します」とキッパリと答えてくれた。異業種への進出は当面行わず、あくまで本業に注力する方針。冷蔵庫、洗濯機、冷凍庫で世界シェア首位を誇る同社の堂々とした姿勢が伝わってきた。


(上海駐在員事務所 奥山)

山東省について

山東省は中国34の省市自治区の中でも国際的に知られたエリアである★その証拠にわれわれ日本人は省名をサントン、当地を代表する都市の青島をチンタオと英語読みしているではないか★普段はあまり気にしてないが、われわれが英語読みをする中国の地名は広東、北京、香港、上海、廈門(アモイ)、澳門(マカオ)くらいで、一般的地名は蘇州(そしゅう)、大連(だいれん)の要領で音読みが基本である★1億人近い人口を擁する山東省は広東省、江蘇省と並ぶGDPビッグ3の一角を占める大経済圏を構成しており、むかしの山東省であれば、省都の済南市と沿岸部の青島市、煙台市の3都市さえ押さえておけば事足りたものだが、最近ではこれまで海外にはあまり知られていなかった内陸部の産業都市の成長が著しい★しかし困ったことに省内には日本にない漢字を使った都市が多く、読めない上に表記に四苦八苦することが多い★ゴーテック(歌爾)の本拠地「濰坊」がその一例で、特集記事の筆者は「イ坊市(イはさんずいに維)」と涙ぐましい表記をしている★他にも「菏沢市(かたく)」、「莱蕪市(らいぶ)」、「臨沂市(りんぎ)」、「淄博市(しはく)」、「棗荘市(そうそう)」と云った漢字検定試験に出そうな地名が多く、漢和辞典で読み方を調べるくらいなら、中国語読みで淄博(ズーボー)と読む方が早いだろう★アジア版「ダボス会議」を目指して設立され、毎年海南島の博鳌鎮で開催される「博鳌亜州論壇」がいつの間にか「ボアオ・アジア・フォーラム」として固有名詞が定着したように、そろそろ中国語の音読み表記は見直す時期ではないだろうか★古都西安のある陝西省(せんせいしょう)を「きょうせいしょう」と読むくらいなら「シャンシー」と素直に中国語読みする方が恥をかかずに済むし


(主席研究員 杉野)

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