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中国からの便り

第175回:出前のリミットは30分! 配送スタッフはツラいよ

道端で休憩しているドライバーたち

ランチタイムが近づくと、スマホを取り出して出前を注文する。約30分待てば、暖かいお昼ごはんがオフィスまで届く。このような光景が中国で毎日繰り返されている。お昼だけでなく一日三食オール出前もアリ。普段の買い物でも何もかも出前に任せることができる。

出前の2大業者は、テンセント系で香港上場の美団(03690)と、アリババ傘下の餓了麼(ウーラマ)だ。現在、配送スタッフはなんと約700万人(ほとんどが電動バイク)。しかし、4億人の出前利用者と比べたら焼け石に水とも言える。利用者の満足度を高めるため、最優先されるのは効率。3キロ圏内の配送時間は、2016年の時は最長でも60分だったが、17年は45分、18年は38分と少しずつ短縮されてきた。今や大手2社は「どこでも30分以内に配達」ということを売り文句としている。

早く届けることは企業と利用者には「win-win」だが、配送スタッフにとっては災いかもしれない。配送を遅らせないため、バイクのスピード違反、信号無視、逆走などは日常茶飯事。それに伴い交通事故も増えている。上海市では17年、2.5日当たりで1人のスタッフが死傷。翌年、四川省成都市ではほぼ毎日1人の死傷者が出た。同年9月、広州市では配送スタッフの交通違反件数が2000件にも達した。配送はもはやハイリスクな職業。あるドライバーは「出前を送るのは死神と競走することだ」とすら話している。なんと恐ろしい。

「出前が遅れるのはどうでもいい。命が一番」と思うかもしれない。しかし、苦境にあえぐ配送スタッフの現状を前に、その言葉は空しく響く。配送リミットの30分の間には多くの「敵」が待ち構えているのだ。飲食店の長い調理時間、赤信号、渋滞、高層ビルのエレベーター、悪天候......などなど数え切れない。運が悪いと、出前の品を取りに行くだけでタイムアウトになるケースもある。どんな理由であっても配送遅延は罰金が課される。3分の遅延で配送料(通常は1件当たり5元、約78円)の20%、3分以上の場合は50%の罰金。「顧客が神様」である昨今。何かトラブルがあれば、消費者はスマホ上で配送スタッフに低評価をつけ、さらには訴えることもできる。そうなると罰金は数十元~数百元に膨らみ、1日の苦労がムダになってしまう。

配送スタッフを窮地に追い詰めたのは、他でもない企業と利用者。美団と餓了麼はAIアルゴリズムを用いて最短配送時間を算出し、最適配送ルートをスタッフに伝える。しかし皮肉なことに、最適ルートには時々、逆走や歩道橋も含まれている。バイクでは通れませんよ。AIはやっぱりスゴイ......!?さて、配送スタッフは親しみを込めて「外売小哥」(出前の兄ちゃん)と呼ばれる。だが、「兄ちゃん」に対する要求には全く親しみが感じられない。「ついでにタバコも買って来い」「『ペッパピッグ』(アニメのキャラクター)を描いて」など意味不明なオーダーもある。

ここまで書いて筆者も少し反省している。ひどい要求をしたことはないが、注文品を受け取る際、スタッフからの「スマホで好評価をお願いします!」というささやかな願いをずっと無視している(中国では「いいね!」評価を要求されることがよくあります)。今後は「遅刻しそうになっても、会社の記録上は『配送済』と処理して、実際はゆっくり届けてくれていいよ」と一言残そうと思っている。もちろん、企業側が時間制限を緩和するのが何よりなのだが。

(東洋証券上海駐在員事務所 孫 佳賢)

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