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中国からの便り

第166回:価格高騰に困惑中 今や"贅沢品"の豚肉

閑散とした精肉店(撮影)東洋証券

昨年2019年の干支は中国では「豚」だったが、思い返すとまさに「豚の年」であった。18年下半期からまん延してきたアフリカ豚コレラの影響で豚肉が供給不足に陥り、価格が急上昇したのだ。ピーク時の価格は500グラム当たり34元(約540円。36の大・中都市での平均小売価格)。18年末時点の2倍以上だ。

中国では「肉」と言えば豚肉のことを指し、食卓に欠かせない食材である。そのため、価格高騰は市民生活に様々な影響を及ぼしている。

筆者の自宅近くの朝食の屋台。1個1.8元(約29円)だった肉まんは、19年10月からいきなり2.5元(約40円)に上昇した。実に約4割の値上げである! 主人がランチで通う食堂でも、料理の肉の量が減らされたという。店主に「最近、肉の量が少なすぎない?」と文句を言ったら、「豚肉価格は今、いくらだと思ってるんだい? 値上げしないだけマシだろう!」とやり返された。価格据え置きで量が減るのは、実質的な値上げだと思うのだが......。

さらに不思議なのは、朝食時によく食べる「油条」(中国式の細長い揚げパン)も高くなったこと。「豚肉と全く関係がないのに、なんで値上げしたの?」と聞いたら、店主は「私も豚肉を食べたいからだ」と答えてきた。不思議なやり取りだが、動機は十分だ。反論できない。

豚肉価格の上昇を受け、レストランなどはきっと大いに儲けていると思ったが、実際はそうでもないようだ。通勤途中の軽食店。メインメニューは「葱油餅」(中華風クレープ=小麦粉で作った生地に油を塗り、ネギの細片を具として巻き込んで焼いたもの)や「韭菜鶏蛋餅」(ニラ、卵、小麦粉を原料として油で揚げた軽食)だったが、昨年夏頃に突然「饅頭専門店」に業態転換した。その価格を見てびっくり。肉まん一つがなんと4元(約64円)! 私は当時、「誰がこんなに高い肉まんを買うのだろうか」と思ったものだ。果たして、この考え方は正かったことが後日検証された。そのお店はほどなくして元の軽食店に戻ったのである。店主は恐らく、豚肉価格が高いうちに業態を転換してお金を儲けようとしたものの、市民の購買力を過大評価してしまったらしい。そういえば、街の精肉店もひっそりとしている。市民は高い豚肉を前に尻込みしているのだ。

豚肉はもう簡単に食べられない「贅沢品」に昇華した。逆に、まだ豚肉を買える人は「金持ち」と言えるだろう。とすると、筆者も一応金持ちのカテゴリーに入る! いやはや、嬉しい......(冗談です!)。

ネット上でも豚肉絡みの様々な笑い話が出ている。代表的なのは、「今年過節不収礼、収礼只収豚肉」(今年の年越しには豚肉以外、他の贈り物は何もいらない)という文句。元々、「豚肉」のところには「脳白金」という健康食品の文字が入っており、中国人にお馴染みの広告コピーだ。これを見るたびに「誰か私にも豚肉をくれ!」と叫びたくなる。こう考えるのは私一人ではない。貴州省のある小学校では、成績優秀者に豚肉を贈呈。各クラスの1位の生徒は15キロももらえたそうだ。かなり豪華かつ実用的なものなので、親たちは嬉しくて笑いが止まらなかっただろう。

一方、市民生活の安定化を図るため、政府は備蓄豚肉を市場に放出。価格は19年11月以降に下落に転じたものの、効果は限定的だ。需要が増える春節(旧正月)前後も価格は高水準でくすぶっていた。中国では春節を経て「豚年」から「子年」に変わったが、「豚の年」はそう簡単には終わらないようだ。

(東洋証券上海駐在員事務所 孫 佳賢)

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