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中国からの便り

第161回:建国70周年を迎えた中国 祝賀ムードと厳戒モード

鉄道駅には「建国70周年」と書かれた横断幕が飾られている

「取材班が訪れた1979年は中華人民共和国の建国からちょうど30周年に当たり、街は祝賀ムードであふれていた」――。NHK特集の名作「シルクロード」。第1回の「遥かなり長安」では、このようなトーンで古都・西安が紹介されていた。高層ビルもほとんどなく、ゆっくりと流れる時間が画面を通して伝わってくる。祖国の"誕生日"を祝う市民の素朴な笑顔が印象的だ。

それから40年。先日訪れた西安では、祝賀ムードと厳戒態勢が合わさった何とも言えない雰囲気が漂っていた。建国70周年を祝う垂れ幕や看板はあるものの、それ以上に「掃黒除悪」というスローガンが目立つ。日本語に訳せば「黒社会(暴力団)を一掃し、悪事(人)をつまみ出せ」とでもなろうか。中国共産党が推進する腐敗撲滅関連のキャンペーン運動だ。おどろおどろしい字体で書かれたスローガンや、銃でフル装備した武装警察のポスター写真が街の至る所にあり、正直、辟易してしまう。

それでも中国は盛り上がっている。テレビでは中国の歩みを振り返る特番が放送され、スマホのアプリを開けば70周年に絡めたニュースが飛び込んでくる。プロパガンダと言うことなかれ。SNS上でも祖国愛を叫ぶ投稿が数多く見られ、無数の「いいね!」が付けられる。

先日、上海で乗った地下鉄は、車内広告からつり革まで紅く染まり、70周年ムードを高めていた。車内では愛国ソング「我和我的祖国」が流れ、小学生がメロディーを口ずさむ。その純粋な愛国心に、清々しい気持ちにさえなった。ところが、地下鉄を降りた私を待っていたのはなんと公安。恒例の身分証明書チェックだ。パスポート不携帯だと"お叱り"を受けてしまう。一気に現実に引き戻された。

国家統計局は、建国以来の成長をまとめたレポートを出している。「GDP(国内総生産)は1952年の300億米ドルから2018年の13兆米ドル超まで約450倍に増えた」などと強調。「海外旅行者数や高速鉄道の営業距離は世界第1位」と勇ましい。昨年、「厲害了、我的国(すごいぞ、わが国)」という航空宇宙や都市開発の発展ぶりを描いたドキュメンタリー映画が公開されたが、その流れを忠実に受け継いでいるようにも見える。

マーケット界隈もアツい。著名エコノミストの李大霄氏は最近、「愛国牛」を声高に叫んでいる。同氏は「牛(ブル)」や「底(ボトム)」などの表現を用いて相場を語る大家(たいか)。ただ、愛国牛については「真に心の底から祖国を熱愛する人こそが利益を得られる!」という説明のみ。気合い先行気味で、何だか分かるような分からないような......。

ちょっとだけ過去の思い出。建国50周年を迎えた1999年10月1日。私は北京市郊外の大学にいた。学生寮の屋上で世界各国の留学生と共に、天安門方向で打ち上がる花火を見て無邪気に歓声を上げたものだ。一方、香港では今年、国慶節恒例のヴィクトリアハーバー花火大会が「大衆の安全を考慮」して行われないという。少々残念だ。

話を西安に戻す。市内の大慈恩寺にある大雁塔。玄奘(三蔵法師)がインドから持ち帰った経典や仏像などを保存する高さ64メートルの塔だ。近くにある玄奘の銅像前では多くの観光客が写真を撮っていた。私も1枚パチリ。時空を超え、先人の人生にしばし想いを馳せてみる。ところが、像の視線の先には「掃黒除悪」という例のスローガン看板があった。このギャップは一体......。

現代の中国ならではの光景に思わず苦笑。中華人民共和国の71年目が始まる。

(東洋証券上海駐在員事務所 奥山 要一郎)

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